- 11 - 知 @ ー脱出の時にー
「アユムさん・・・・。これから五分後にここは占領されます!」
「な、なにぃ!?」
アユムが思わず声をあげる!
「ちょっと、ケイさん!そーゆーことは早く言ってください!」
と、ココもバシッとケイの頭を叩いた。
それに対してケイは頭に手を当てて、
「別にいいじゃないか、
分かったんだから・・・」
とややふてくされて呟いた。
え?えっ・・・。何でみんなそんなに慌てているの?
「あの・・・。
意味が飲み込めないんだけど・・・」
私がいつものごとく首を傾げて尋ねると、アユムがまたまたいつものごとく面倒くさそうにこう言った。
「平たく言えば敵だ。敵。
敵がこっちに攻めてきたんだ!」
「て、敵ーーーーー!?」
要するに、さっきの話で出てきたレポート盗んだ人たち??
その人たちが攻めてくる??
あんまり信じにくい話だった。実感がわかないよ。
というか、なんでケイさんそんなこと分かったの?
しかも、なんでみんなケイさんの言っている事簡単に信じてしまうのだろう?
それだけの理由があるのかな・・・
と、なおのことあたふたする私に、
ケイはにっこり笑って首をかしげた。
「ごめんね、コスミちゃん。
君の頭の中が、わからないことだらけなのは分かっているんだけど、
説明している暇が今は無いんだ」
と、ケイの後ろでアユムの声が飛んだ。
「おい。
ケイ、迎え撃つのと逃げるのと、どっちが得策だ?」
ケイも振り返ってそれに答える。
「はっきり言って、相手のほうがずっと多いです。
多勢に無勢なので逃げたほうが二倍お得¥」
二倍って・・・なにが?
「・・・だそうだ、とにかく今は脱出しよう」
アユムさんの脱力した声が妙に響く。
ケイってつくづくアユムの精神削っているよね。
うう、でも私はどうしたらいいんだろう・・・
アユムみたいな魔法が使えるわけでもないし・・・。
もう既に3分は経っているし、もう「敵」とやらも進入してきているのではないだろうか?
絶対一人じゃシュストーユ1階の出入り口にたどり着かないような気がするんだけれど。
途中で見つかっちゃうよ。
私が途方にくれていると、
アユムが、最後に、とばかりに話し掛けてきた。
「俺とケイは先に行ってシュストーユ生徒に脱出を呼びかける。
だから、ギリギリまでここに居る俺達についてきても無駄だ。
それに、
きっと、ココは単独行動だろう。
だから、コスミはシュンといっしょに行動しろ。
あの子はなんだかんだ言って頭が切れるから、
きっと色々と助けてくれるハズだ・・・」
「う、うん。わかった・・・」
私が頷いたのを見計らって、
既に部屋の入り口に立っていたケイが私達に向かって告げた。
「シュストーユを出たら、「緑の体育館」に集合してください。
では御武運を祈っています、以上、解散!!」
これから、
この脱出劇が非現実的世界への第一歩になるなんて、私達は知る由も無かった。
ただ一人をのぞいて。
− 俺の特技は未来を予知すること −
ー つづく ー