− 15 − 幻想
「ね、
シュン。前々から気になっていたんだけど、
よくみんながパソコンかちゃかちゃしているアレって何?」
と私。
「はぁ??」
シュンは良く飲み込めない様子で私を見た。
さっきから10分以上経っていると言うのに
私たちはまったく敵に出くわさなかった。
慎重にゆっくりと歩いている所為もあるにはあるだろうけど・・・
状況が変化しないだけにちょっと不気味。
アユムとケイさんが先に行っていたとしても
全ての敵が彼らと出会って倒される訳が無いし・・・
「「パソコンかちゃかちゃ」・・・・って
・・・な、なんのこと?」
と、シュンは首をかしげた。
「ココちゃんがさっきデータがどうとかってやってたやつだよ。」
と私。
そこまで言ってやっとこシュンは了解を得たらしく、
例によって例のごとく解説をしてくれた!
「ああ、「シュストーユのデータベース」のことだね。」
「「シュストーユのデータベース」??」
「うーん、シュストーユは一応研究所だろ?
ましてや、その研究内容は未解明の力なわけだし、
何が起こるか分からないんだよね*
だから、シュストーユ生徒一人一人には、
自分がいっしょに行動している人、周りの環境などをデータとして収得することが
義務づけられているんだ。」
「そ、そうなんだ・・・」
さらにシュンはこう続けた。
「そのデータはアユムさんが随時集めて管理しているんだけど、
結構役に立っているみたいだよ。
魔法の力って言うのは、さっきもアユムさんが言ってたと思うけど、
空間の物体じゃなくて座標に存在するものだし、周りの影響を受けやすいみたいだから。
一見するとどうでもいいことに思えるかもしれないけど
データとしては結構役に立つよ・・・」
へえ・・・。
「ちなみに義務付けられていないデータも自由に書き込んで良いんだ。
データベースの基本は「その人自身が使いやすく」「アユムさんが見やすく」だから」
な、なにそれ・・・*
半分こける私に対し、それを見たシュンはなんとも複雑な顔をした。
「そんな顔をされると、僕が変なことを言っているみたいじゃないか」
「ううん、言ってない言ってない・・・」
「・・・」
つい吹き出す私を見て彼は困ったように口をつぐんでしまった。
でも、次の瞬間ハッとなって
「あっ、そういえば
今度から使用している媒介と使える魔法の系統とかも義務付けされたんだった!
ほら、最近は敵との戦闘が多くなってきたから、
個人個人の強さみたいなのがデータとして必要になってきたんだ。」
と、ポケットから電子辞書のようなものを取り出してパチパチとキーを打ち出した。
どうやらデータベースを書き換えているらしい。
え、でも
もしかしてこれって・・・
「ぱそこん?」
「そう、
アユムさんがシュストーユ生徒に配布しているやつ。」
「わあ♪」
かがんで見る私にシュンは弾んだ声で話した。
「今データベースを更新しているところだけど、
コスミの分もやらなきゃね!
僕がやってもいいけど、これからは自分で更新しなきゃいけないわけだし
ちょっとやってみる??」
「うん」
そのパソコンは本を開くように縦に持つ式だった。
画面は左で、キーは右。
どうやってキーを打つのかと言うと、右手のみで打つ。
だって左手はパソコンを持っていてキーを叩けないもんね!
勿論キーボードの並びも縦長。
悠長に構えて取り組む暇も無いので、私はすぐさまキーに指を置いた。
それを確認すると
シュンは指を画面にあてて
「ナビゲーションがあるから、それを参照しながら作業すると楽だよ・・・」
とそう言って、
後ろから指示するべき所を指示していってくれたのだった。
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