− 17-5 −
するすると落ちていく・・・・
身体・・・・
同じ速度で落ちてゆく雨の粒たち・・・・
一瞬の時間で地面に到達すると思っていたのに、
その時は
アユムの予想をはるかに越えてゆっくりとしていた・・・・・
(世界がさかさまだ・・・・・)
飛ぶ鳥も、大空にどよめく雲も・・・・・。
(そう、
雲は足の下にある・・・・。
道を歩く人々は天井にー・・・・。
今までに、まったくみたことのない光景・・・)
アユムは落ちてゆく中、ビルの窓を逆さまに眺めた。
青く光る表面は、嵐の中でも光を照り返し、
凄い速さで落ちているアユムには、
光の加減でほんの少しの間しか窓の中を見ることしか出来ない。
いくつも立ち並ぶ窓、見えるのは各々ほんの一瞬だけ・・・。
上から下に流れてゆく窓をアユムはぼうっと眺めていった・・・。
(地に落ちるまでの暇つぶしさ・・・)
息はまだ上がったままで、首の痛みも取れていない。
でも、ふとあるとき、
そんなことなど忘れさせるほど、アユムを釘付けにした瞬間があった!!
「・・・ユイカ・・・?」
窓ガラスの一つに手を当ててアユムを見下ろす女の子が居る。
薄い黄色のストレートヘア、印象的な瞳、
間違いなくユイカだ。
一瞬しか見えなかったけど、その顔はなんとなくこわばっていた。
(ユイカ・・・?ユイカ?)
アユムは息もせずに彼女の名前を反芻した。
(何でそんな顔をするんだ?)
と、眉を寄せる。
しかし、次の瞬間。
もの凄い衝撃が彼の全身を襲ったのだった。
ザー−ザーザー−−−−
−つづく−