ー 21 ー 知A−変化−
繭近 ココと出逢ったのはいつのことだろう。
えらく生意気な子で、
よくよく扱いに困ったりしたけど・・・
不思議と気だけは合って・・・
これなら忘れてしまえると思った・・・
・・・・ーこれから先の闇と恐怖をー・・・・
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「ふぅ・・・、やっと追いついた。」
ヒトは冴えない調子で呟いた。
彼はとてつもない速さでココの前に先回りし、移動中に足場にしていた木から飛び降りたのだ!
滑らかに着地する様が恐いくらいネコのそれに似ている・・・。
「う・・・」
ココは半分絶望的な気分になった。
(この人、冴えない声と顔をしているくせに動きだけはぬきんでて鋭い・・。
・・・・やんなっちゃう)
しかし、こんなに運動神経が良いにもかかわらず
なぜ本気でかかってこないのかという疑問もわいてきたのだった。
「こんなに追い掛け回して、何か私に御用ですか??
こっちは時間が惜しくてしょうがないんですけど・・・」
と、ココはやる気なさげに突っ立っているヒトに向かい、いつものアユムよろしく顔をしかめて見せた。
すると、彼は刀をきらめかせて鮮やかに構えると、
静かに表情を険しくしたのだった。
「・・・目的か・・・。
キリハラ アユムの居る場所を教えて欲しい・・・。
できるものなら」
「居場所を突き止めて、その後アユムさんをどうする気ですか?
それによります。」
と、ココ。出来ることならアユムの居場所を話して、ヒトのもとなど一刻も早く離れたかったが、
ここはぐっと我慢し交渉内容を吟味することにしたのだった!
しかし、
そんな彼女の試みも空しく、
ヒトの答えた内容は予想通りのサイアクのものであった・・。
「・・・見つけ次第、始末する。」
ヒトは刀を構えた姿勢のまま、少し強い口調で言った。
「な・・・・なぜ・・・?
なぜ、始末するなんて・・・」
ココは思いのほかすさまじい言葉を聴いて
小さなショックを受けたずに居られなかった。
(「始末」・・・。
ケイさんと同じくらいの年の人が、こんなコトバを平気で・・・)
しかし、ヒトがそんなココの思いを知るはずもなく、
彼は、あくまで一般的解釈の、ココが本当に訊かんとしていることと意味のずれた答えを返した。
「・・・それは、僕が何故「キリハラ アユム」という人物を殺すのか、という意味か・・・?
彼は迷いの多い弱い人間・・・。そして、それと同時に本来世界が忌むべき存在・・・。
彼さえ居なければ・・・・」
「話にならない・・・」
と、表情をこわばらせてココが呟く。
すると、その様子に幾分ヒトは肩をすくめたのだった・・・
「・・・こうなることが分かっていたから、はじめから目的など話さなかったんだ・・・。
どうせ否定されると思っていたよ・・・・」
「・・・・」
「だから君を不必要に追いまわしてキリハラ達の元に逃げ帰るのを待ってみたんだけど。
これも上手くいかなかった・・・。」
ヒトは淡々と話すと目をほんの少しだけ鋭く細めた。
「・・・だから・・・口を割らせる!!」
それは唐突すぎる出来事だった。
さっきからおとなしく刀を構えて静止していたヒトが、
突如、鋭いキックを放ってきたのだ!!
「うっ・・・・・」
流石にココもこれは避けることが出来ず、もの凄い衝撃をわき腹に受けた!!
地面に半分倒れつつも、
目をぎゅっとつぶって、じわじわと湧き上がってくる痛みに耐える・・・。
「がはっ・・・・ごほっ・・ごほっ。
う・・・・ぅ・・・」
これはヤバイ・・・と、
自分で分かるほどの痛さだった。だって、わき腹だけではなく、
手足や首まで突然の衝撃と痛みでガクガクと痙攣だけして動かないのだから・・・・。
ヒトは苦々しく唇をかんでココを見下ろした。
「卑怯で・・・強引だけど・・・。
これしか手を知らない・・・」
そう言ったかと思うと、刀をココの前に突きつけて不機嫌そうに呟いた。
「言うんだ・・・。
こっちも終いには痺れを切らすぞ・・・」
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