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私とアユムが入ったのは「マーメイド」という喫茶店だった。
ここは古くからある老舗で、
お店のまん前に、すでに朽ちはてて人魚なのか何なのか分からない変な像があることで有名なんですよ。
「じゃあジョッキパフェ一つと、コーヒーのホット一つ。」
とカウンターにてアユム。ジョッキパフェってゆーのはその名のとおりジョッキにパフェが入った超特大メニューである。この店の名物なんだよね。
「こんなボリュームがあって甘い物を食べるとは・・・意外です・・・*」
私がそうつぶやくと、アユムはハテナマークを頭に浮かべて首をかしげた。
「ああ。ジョッキパフェはあなたの分です。」
「は?」
目が点になる私。
「一番高いのがこれでしたので・・・。
まあ、私のおごりです。」
彼はそういいながらさっさと注文した品を受け取り、
お金を払って、席の方に行ってしまった。
はあ、でもいくら一番高いからってジョッキパフェは・・・・。
これも彼の好意なんでしょうけど。
「さてと・・・・、
まずシュストーユのことだが・・・」
席につくなりアユムは率直に切り出した。
でも何かおかしい。そう、口調がデスマスから切り替わっている。
もしかしてこいつ外面だけいいタイプだな。
・・・と、私がそんなことを考えているとは露知らず、
アユムは淡々と事を説明しだした。
「シュストーユは公共施設で簡単に言えば、
まあ最先端のギジュツとチシキを結集して作られた教育機関といった
ところだ。俺はそこで各地の研究者からのオファーを受けて
教育における力の引き出し方についての研究をしている。」
「力の引き出し方?」
アユムの言っていることは私にはむずかしい気がした。
「そう。腕力とか脚力だけじゃない。精神面やその他の面でも・・・だ。」
アユムは得意そうに言った。
「たとえばいかに性格が良い人間に育てられるか・・・とか、
超能力の強い人間の育て方の研究とか・・・・・」
・・・え、ちょっと待って!
「超能力!?」
私が驚いてみせると、アユムは顔をしかめて
「なんだ、さっき言っただろ?「精神面やその他の面でも」って。」
といってコーヒーを飲んだ。
そ、そんなこといったって・・・。
普通「その他」のところにそんな現実離れしたものが入っているとは思わないでしょうが!
「それで?ようは私にその数ある実験の研究材料になれってこと。」
と、ふてくされて私がきくと、
アユムはさらに顔をしかめて
「「研究材料」だなんて人聞きの悪い!
こうやって聞くとシュストーユは変な研究所みたいに聞こえるかもしれない けど、研究に協力する側にだって、利点がいくつかあるんだぞ 。」
と弁解にかかった。
「どんな?」
と私。しかし、アユムはちょっと考えた末、結局それについては答えてくれなかった。
「い、いや。それを話すには少し話がややこしくなる・・・。
施設に来てくれれば話すけど?」
「超お断り★」
即答。
そんな私に対してアユムは意地悪な顔になって、
こういって聞かせるのだった。
「もう一度言うけどきみに選択権は無い。」
「なんで??」
「それもここでは言えない。」
「そんなんじゃー・・・」
とわたしが帰ろうとすると
「でも、その「答え」を導き出すことは出来る。」
とアユムは急いで言った。
「は?」
言っている意味がわからない・・・*
アユムの言うことは時々抽象的になると思った。
アユムはふと真剣な顔になって私に・・・というよりむしろ自分に言い聞かせるように言った。
「どれが本当かどれがにせものか
誰かが選び取らなければいけない・・・とおもう
それは必然によってではない・・・。
・・・偶発的に突如として選択がはじまる・・・」
「何をぶつぶつ言ってるの??」
本当にボーっとしていたらしく、はっと我に帰るアユム。
「え?ああ。じゃあ施設に来るのがまだいやなら、
さっき言った「答え」ってやつを導き出してやろう。」
「??」
また意味不明の言葉・・・。
はあ、この人説明する気あるのかなあ・・・*
と私がそんなことを考えている間、
アユムはてきぱきとかばんからメモ帳とボールペンを取り出し、
それを机においてなにやら準備していた。
そして、営業用なのか突然デスマス口調に戻って、
こんなことを言ってきた。
「今からあなたに日常生活についての簡単な質問をします。」
「しつもん?そんなことして何になるの?」
私が言ってやると、アユムは出会った時と同じ笑顔(これも営業用??)で、こう言い放ったのだった。
「これで分かるのです。
あなたがシュストーユに来るべき人間なのか、
それとも、そうでないのかが・・・ね。」
−つづくー
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