-  1  -   キリハラ アユム 

「あなたは今からシュストーユの施設学校の生徒となりました」
その人は微笑んで言った。

でも、こんな訳の分からないことを言われて「はいそうですか」と納得する人なんているのだろうか・・・?
「あの、せっかくだけど私忙しいんです。」
普通の人がするようにそういって振り切ろうとするとその人は思いっきりいい笑顔で制した。
「私の名前はキリハラ アユム。
 言っておきますけど、あなたに選択権はありません。」
相変わらずのデスマス口調。
これは本格的に危なくなってきた・・・・**
「大体そんなの親が許しません」
と私。
でもその答えをアユムという人は十分に持ち合わせていた.。

「両親には承諾済みです。
 この通り、書類に印鑑が押してあるでしょう?」
「えっ。ちょっと見せてください!」
と、見ると本当に押してある*
その書類は一番上に「契約書」と印刷があって、
その下の「規約」とか「特典」には、何語か分からない語(?)でずらずらと  規約や特典らしきものが書き並べてあった。
(まずその時点で怪しい書類ではあったけど)
「ほらね。ここ」
アユムが指差したのはそのちょうど次のところ、
書類の一番最後だ。「この契約に同意しますか?」のところである。
当たり前だけど両親のサインは共通語で、
私にも両親のものだとすぐに分かった。
そしてその横に朱肉で押した印。
普通に見れば至極完璧である・・・が、それはこの書類が偽造でなければ の話だ。
だいたい両親からそんな話を聞いたことは一度も無い・・・。

「とにかくダメです。」
私は断固としていった。
するとアユムは首をかしげて、つぶやくように言うのだった。
「なぜですか」
「大体私には何も説明がありません。
 それで「こい」って言う方が無理というものです*」
そんな私の発言に、
アユムは不意を突かれたのかキョトンとした。
「あっ、なるほど。
 では、喫茶店にでも入ってお話をしましょう。」
「はあ」
なんだかなー・・・#
この人のペースにはまっている気がしないでもないけど・・・
もうやけである。
結局、私はこの人の説明に付き合うことにしてしまった**


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