- 12 -   ぴんぼけ

気が付けば、
アユムとケイだけでなく、ココの姿もなくなっていた・・・・

シュンが強く私の手を握って言った。
「行くよ・・・・・・5分なんてとっくのとうに経っている。
 敵が進入し始めていると思うから、物陰に隠れながら進む。」
「う、うん」
不安げな返事を返す私。
この瞬間、
ふと空虚な考えが、
ぽっ・・・と頭に浮かんでくる。

ー ああ、そうか ー

ー 私の命はシュンに依るものなのだ ー

なんだか突然のことだった。
なんか、
小さな発見みたいな、不思議な感覚のような・・・。

そうなんだ、
私は今、まったくの無力で、
シュンが居なければ敵に見つかるどころか、
生きてゆけないかもしれない。
現実問題として私はもっぱらシュンに頼るしかないんだ。
ただ、この時、
私はなぜこんなことを考えてしまったのだろう?
今の状況とは焦点があまりにずれているというのに・・・

それは、
実を言うと私の目まぐるしい過去を裏写ししていた。
もっとも当人は気付いていなかったのだけど。あはは。

「コスミ!」
シュンの声が飛ぶ!
「あ、ごめん。なんか、ボーっとしちゃって・・・」
と私がすまなそうに口をつぐむと
彼はロッドを、私と手をつないでいない方に握り締めて前に踏み込んだ。
「常に気を張り詰めさせるんだ。
 敵は魔法を使ってくるのだから。
 普通と思う<オブジェ>当たり前に通りすがる人でも、意識して!
 
 それに・・・
 敵は僕らと同じ子供だよ。
 だから、見た目とかそういうので油断してはいけない・・・」
「えっ」
私達と同じ子供・・・??
私は目を丸くした。
でも、シュンにはそれを振り返る間は無いらしい。
一刻も早く脱出しなければならない、
焦ることなく、慎重に!
はやく!!
そう、時間がない・・・

シュンは部屋のドアの近くまで、
私を連れながら静かに歩み寄ると、もう1度口を開いた。

「彼らは大人達と違って容赦しない・・・」


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