- 8 - ライバル?
「おはよう、コスミ。」
私が目を覚ますと早速シュンが声を掛けてくる。
もう彼は身だしなみを整え終わった後らしく、
昨日はジャージだったんだけど、今は私服を着ていた。
「あ、あれ・・・・?
ココさんは??」
と私。
朝になったらすぐマユチカ ココさんに自己紹介しなきゃと思っていたんだけど・・・
「ココ??
ああ、あの子なら外で朝食でも取っているんじゃないかな・・・
ってゆーか僕が起きたときにはもう居なかったから、推測だけど・・・」
シュンはちょっと目を細めて答えた。
表情は曖昧で分からなかったけど、
声から察するに、
ココという名を聞いてちょっと気分を害した感じだった。
そ、そんなに感じの悪い子なのかな・・・
私がシュンを見ると、
彼は反応するともしないともつかない事を言った。
「それより。
アユムさん来てるから、ここの説明とか聞いたら?」
「え?」
見ると、
シュンの後方のイスからアユムが不機嫌そうな顔をして立ち上がるのが見えた。
「コスミ起きるのが遅いぞ・・・」
と、
ここでふとある疑問が浮かんだ。
「え、あれ・・?アユムってもう一日くらい眠るんじゃなかったの?」
そう、
確かケイさんが2、3日眠るとかいうことを言っていたような気がする。
まあ、
どうでも良いことではあるけど。
でも、私の問いにアユムは意外なことを口にした。
「・・・・シュンに叩き起こされたんだ・・・・。まったく・・・付き合いきれん」
「シュンが??」
え・・・?
もしかして昨日の「叩き起こす」とか言っていたのは
冗談じゃなかったの?
「本当に叩き起こしたの?」
私が顔を引きつらせても、シュンはマユ一つ動かさなかった。
「本当だよ。
ウソ言ってどうするの・・・」
そして彼は今度、
アユムを見据えて言ったのだった。
「別に普通の人なら起きる時間だし・・・。眠いのはアユムさんの体力ないのが悪いんだ・・・」
そ、そんな理不尽なぁ。
私があっけに取られていると、対したアユムもさらっと攻撃を返す。
「・・・疲れているなら寝る。
基本中の基本をジッセンしたまでだ。別にほっといてくれればいい。
疲労は能力の低下を招くからな・・・。」
そしてまたシュン。
「あぁ、そう・・・。
どちらにしても、
僕はあなたがどうなろうと知ったこっちゃないけど、
あなた一人のために
シュストーユのシステムがとまるということは避けなければいけないと思うね・・・」
「・・・つまり、
俺がシュストーユに必要不可欠な存在だということを認めるんだな・・・?」
とアユムさん。
「必要不可欠だなんて、誰もそこまで言ってないよ!」
どんどん単なるケンカになってきてます・・・。
というか、
二人とも、私にシュストーユのことを教えてくれるんじゃ・・・。
あっ、でも、
シュストーユにもこんな二人のケンカを止めてくれる人がいたんだよね!
「アユムさん。シュンくん。
何やっているんですか。」
そう、ケイである。
彼は室内であるにもかかわらずマフラーを身に付けて、
両手には買い物袋を下げていた。
何か買出しから帰ってきたのかな??袋からねぎが見えてるし。
「あ・・・ケイ。
アユムさんが・・・」
シュンが早速不平を言おうとしたのをケイは優しく制した。
「アユムさんはコスミちゃんを直してて疲れているんだ。
ちょっとは寝かせてあげてくれって。ね?」
「え。そうなの?」
とシュンはちょっと目を丸くして言った。
どうやら知らなかったみたい。
「なんだ。知らなかったのかぁ。
アユムさん言わなかったんですか?」
ケイが横目でアユムを見ると、アユムは顔をちょっとしかめながら言った。
「うっ・・・
そういえば言っていなかった・・・よーな、
言ったよーな・・・」
「・・・」
一同沈黙。
するとケイさん。
「あはは。
もう、お茶目だなあ」
「お茶目・・・!?」
みんな思わず声をあげてしまった。
「お茶目っておまえ・・・」
しかも、当のアユムさんさえ言葉を失うこの威力(?)。
アユムさんに軽くこんなこと言えるの
たぶんケイさんだけです・・・
この人って・・・実はすごい人??
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